Iwate Traveling

結城 賢二

2014年05月01日 01:36

【早春の雪代の残る渓を、桜を眺めながら歩く旅】




GW前半戦、以前から足を運びたかった岩手県へ

地図を片手に3日間、渓をひたすら歩いた。

1日目

片道約500km強のドライブで、都内から向かったのは雫石水系。

ここから、僕の旅が始まる。






この日は、県内で今年一番の暖かさを記録し、渓に立つと

雪代で水量も多く、濁りも酷かったが、ロッドを振ることにした。

初めてのフィールドで釣りが出来る喜びを感じながら、状況を見ながら速いテンポで登っていく。




釣り歩くと、昨年の豪雨の被害が目に映る。




崩れた山並み、倒れた大木の数々。

いたると所に、復旧工事が入っているものの、実際に渓に立つと

まだまだ爪痕は消えないまま。

数百m上がるが反応無く、堰堤の上の緩やかな流れの大岩と大岩の間をAlexandra 50HWを通すと

良型のイワナが顔を出した。

豪雨前よりも、魚が少なくなったとは聞いていたが、それでも、元気に生き残って、顔を出してくれた。

何度をチェイスしたが、残念だが、食わせきれなかったが、僕の心は少しほっとした気持ちになる。

雪代の影響の少ない最上流まで登るが結局、魚を見る事は出来なかった。




一旦車に戻り、地図を広げ、この渓の支流を回る事にした。

一つ目の支流を回るが、雪代の影響はあるが、緩い流れで数匹の魚を見るに終わる。

今日は、次の支流で終わりかな。

この支流も今日の陽気で溶けた雪代で力強い流れ。

それでも僕は、諦めないで終始キャストを続けた。

湾曲した流れでやっと出てくれた美しい尺岩魚。


※DUO/RYUKI 45S






やっと出会えたと同時に手が震えてしまった。

僕にとってサイズよりも何も言えない程に嬉しい価値ある一匹。

この地に来て本当によかった。

「ありがとうと」一声掛けてリリースすると、元気に渓に戻って行った。

その後は、同サイズの岩魚を2匹追加して、初日の釣りを終了した。




道の駅あねっこに戻り、温泉に浸かり旅の疲れをとり、

夜から地元雫石のS田さんとA沢さんとお酒を酌み交わし

釣り談義やアドバイスを頂き本当に有意義な時間を過ごさせて頂いた。

2日目からは、雪代の影響も少ないだろうと言うアドバイスで、沿岸側の閉伊川水系に車を走らせた。



やまびこ館

予想通り雫石水系よりも雪代の影響は収まっており、期待が持てた。

地図を広げ一日、閉伊川の支流を回る。







ロッドを振る手を休めると、山里には、色々な草木が美しく咲き山菜も出ていた。







背中越しには、淡いピンクの桜が咲き、今年2度目の桜の花を見ながらの釣りを楽しむ。




何本もの支流を歩きながら、岩魚や山女魚が顔を出してくれた。






※ITO.CRAFT/蝦夷50S 1st



※ZANMAI/50㎜F


※SMITH/D-INCITE44


※SOULS/Blues Ride45

真新しい足跡が残る渓でも、丁寧に打つと浅瀬の岩影から元気に飛び出した岩魚。

まだまだベストシーズンとは言えない早春の岩手の渓は、

普段、関東でロッドを振る僕から見たら、

フィールドのポテンシャルの高さを感じるには十分すぎる釣果だった。


※OrynO/隼45型

2日目は、歩いて支流を回り、小さいのを含めて約30匹前後の美しい魚と出会う事が出来た。

その中でも記憶に残るのが、ここで出ると思った所で思い描いた通りに出した尺岩魚だった。

ロッドを絞り込み楽しませてくれた。


※SOULS/BALLAD5 RⅡ

この日は夕方まで平伊川水系を楽しみ、盛岡市内に入り、

S田さんお勧めの地元の「ビーバー釣具」に寄り道した。




釣り人にとって地元の釣具店に入るのも楽しみの一つ。

旅の思い出にと、店主のオリジナルのハンドメイド「神動」と言う名の5㎜ミノーを購入した。

2日目の夕食は、牛タンが食べたいと言う事で、最終日に仙台による時間も無かったので、

盛岡で名店と言われる「とち」にお邪魔した。




仙台太助の流れを深く受けたお店だと言うことで

正統派の牛タン焼きを久しぶりに堪能した。




お腹一杯で盛岡を抜けて、2日目の夜も雫石あねっこで、温泉に入り秋田名物「いぶりがっこ」で晩酌する。




燻りの香りと沢庵との相性は抜群で、酒にもご飯にもよく合う秋田の絶品だ。

晩酌しながら、「楽しい旅も明日で終わりか」と一人つぶやき、最終日の予定を考えながら就寝する。

最終日は、雫石水系で午前一杯楽しむ事にした。

朝起きると気温2℃と気温の差が激しい。

地面には霜と靄が覆うほどの寒さ。







最終日は、なかなか今回の釣行で結果が出ない、A木君の後ろを歩きながら釣り歩く。

開始早々に渓に覆いかぶさる倒れた大木の影から、岩魚を釣り


※SMITH/D-INCITE44

一投一投を惜しみながら、渓を歩く。


※SKAGIT DESIGNS/FATLOACH

初日よりも大分落ち着いた雪代の渓を歩くとゆるい流れで3本バラす。

その数分後、BALLAD5 RⅡに強い衝撃。

ライトクラスのロッドがキレイにベンドカーブし、強く締めてるドラグを鳴らす。

明らかに大きい岩魚だったが、次の瞬間、ラインブレイクしたと思ったが、フックが抜けた。

「また来いよ。」そんな事を言われてるようだった。

「そうだよな、また来るよ。」僕は心の中でそう返した。

空を見上げると澄み渡る、ブルーの雫石の空が広がっていた。




時計を見ると丁度正午を回る頃、今回の釣りを終わらせた。




帰り際に、国道沿いに一本桜が凛と咲いていた。

旅の最後の昼食は、「髭」にて盛岡名物の冷麺とじゃじゃ麺を欲張りに両方頼んだ。







じゃじゃ麺の〆はチータンタン




帰りの高速の前沢SAでは、前沢牛コロッケを食べ。




国見SAでは、大隣の県、僕の出身の宮城の鐘崎の「大漁旗」を食べる。




これも旅の醍醐味だ。

田んぼでは、代搔きが始まっていた。

東北の春は始まったばかり。

東北道を南下し関東に入ると悲しくなる。

旅ももうすぐ終わる。

今回の旅は、いい出会いと素晴らしいフィールド、美しい魚たちに出会えた。

新緑のブナの森がキラキラと光る頃、

また僕は、絶対に岩手の渓に立つと決めた。

今回釣り上げられなかったアイツに会いに、知り合いに会いに行くために、また旅に出る。




-TACKLE DATA -

ロッド » SOULS/TROUT FINALIST EXPLORER 50LS Ver2
リール » SHIMANO/TWINPOWER 2000HGS
ライン » VARIVAS/SUPER TROUT ADVANCE 4id
ルアー »Mildred JOINTED.FATLOACH.HOBO.隼45型.Blues Ride45.D-INCITE44.D-CONTACT50.蝦夷50SⅡ.Alexandra50S ・・・etc



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