2016年09月07日
Taba River
【季節の移り変わりを感じて...】

今年は、解禁日の3月から
愛車が無かった事もあり
渓に足を運ぶ事も極端に少なかった。
先日まで眩しく輝いていた太陽も影を薄め
季節は巡り禁漁まで残り一カ月、
9月上旬を迎えていた。
僕は、久しぶりに渓魚たちに会いに
街を抜け出し山間部にジムニーを走らせる。
車の窓を開けると
ひんやりと冷たい空気に
秋虫たちが演奏会を開いている声が聞こえてくる。
山間部に入る頃には、
心地良い涼しさを通り越し
Tシャツ一枚では、寒い位だった。
久しぶりの森の木々の香り。
やっぱり山は、気持ちが良い。
狭く薄暗い林道を走り、
半年ぶりに降り立つホームリバーに到着する。
逸る気持ちを抑えて正装に着替えて
僕は大きく深呼吸をし
一歩一歩崖のような急な斜面を降りて行った。
苦労して降りた先に見えてくる渓は、
予想外に数日前に振った大雨で
多少濁りが入り増水気味だった。

僕の得意とする水量では無かったが、
この日の釣りをスタートさせた。
木々で覆い被さった谷の中では
小動物の鳴き声が
いたる所から聞こえてくる。
来るたびに思うが、
簡単に人間が入ってはいけない領域のような、
独特の雰囲気が、ここにはある。
一匹との魚との出会いは
そう時間が掛からなかった。
何度かミノーにチェイスしてくれる黒い影。
これを見れただけでも
楽しさと嬉しさで一杯の気持ちになる。
「来てよかった。」
毎週振っていた
オフショアロッドから持ち替えた

ショートロッドを使った
テクニカルなキャストは
全くと言って良いほど決まらず。
本当に下手糞になってしまったと思うほど。
しかし渓魚達は、そんな僕にも相手をしてくれた。

魚が出そうと思うラインに
積極的にミノーを通せば、
答えは素直に返ってくる。

欲を言えば、もう少し
この強く太い流れと水量が下がれば、

障害物も多く
キャストが楽しい渓なだけに残念だが、

可愛いサイズも含めて
飽きない程に僕を遊ばせてくれた。

普段なら渡れる所が渡れず、
慎重に安全を確かめながら
何度か高巻きをし登っていた。

頑張って登れば登るほど、
美しい渓魚達に出会える。
そんな楽しい渓も
今年も楽しめるのが
一カ月を切ってしまった。
「もう少し足を運ぶべきだったな」
そんな事をぼそりと思いながら
今日一日を惜しみなく楽しんだ。

時折、谷から抜ける風は秋の香りがした。
大好きな夏が過ぎ去り、
ちょっとだけ寂しく切ない毎日の日々。
「秋も良いものだよ‼」
休憩していると
アキアカネが初秋の青空の下で
僕のロッドティップに止まり
話しかけているようだった。

「そうだね。秋も良い季節だね。」
あと少しだけ登ろうかな。

倒木にミノーをタイトに通せば
元気いっぱいの岩魚が歓迎してくれた。

流れの強い本筋で「ドス」と重く
力強い引きを見せたのは

26㎝程の美しいアマゴだった。
この一匹の出会いで
今日はなんだか大満足になった。
足も疲れでもつれてきたので
今日の釣りを終わらせた。

深い深い谷を抜け出す急な斜面を登る。
足に疲労がたまり、
先ほどまで涼しかった体から汗が噴き出す。
何とか今回も無事に林道に抜けると
ほっとしたと同時に、充実感で一杯になった。
林道では山栗が実りの時期を迎え

ニホンザルが僕に挨拶してくれた。

林道を抜け出し村に戻ると
美しいコスモスが咲き

清々しい秋の空と風を
体いっぱいに感じた。

初秋の渓。
ちょっとだけ好きになった。
そんな一日。
-TACKLE DATA -
Rod: SOULS / TROUT FINALIST EXPLORER 50LS Ver2
Reel: SHIMANO / TWINPOWER 2000HGS×わたらせ樹脂工房 楓瘤
Line: APPLAUD / GT-R Trout Edition 4LB
Lure: Buddy 50s.Rough Stream Minnow50.Matt Homura50s.Spino Minnow fat50s.slim50s.・・etc

にほんブログ村

今年は、解禁日の3月から
愛車が無かった事もあり
渓に足を運ぶ事も極端に少なかった。
先日まで眩しく輝いていた太陽も影を薄め
季節は巡り禁漁まで残り一カ月、
9月上旬を迎えていた。
僕は、久しぶりに渓魚たちに会いに
街を抜け出し山間部にジムニーを走らせる。
車の窓を開けると
ひんやりと冷たい空気に
秋虫たちが演奏会を開いている声が聞こえてくる。
山間部に入る頃には、
心地良い涼しさを通り越し
Tシャツ一枚では、寒い位だった。
久しぶりの森の木々の香り。
やっぱり山は、気持ちが良い。
狭く薄暗い林道を走り、
半年ぶりに降り立つホームリバーに到着する。
逸る気持ちを抑えて正装に着替えて
僕は大きく深呼吸をし
一歩一歩崖のような急な斜面を降りて行った。
苦労して降りた先に見えてくる渓は、
予想外に数日前に振った大雨で
多少濁りが入り増水気味だった。

僕の得意とする水量では無かったが、
この日の釣りをスタートさせた。
木々で覆い被さった谷の中では
小動物の鳴き声が
いたる所から聞こえてくる。
来るたびに思うが、
簡単に人間が入ってはいけない領域のような、
独特の雰囲気が、ここにはある。
一匹との魚との出会いは
そう時間が掛からなかった。
何度かミノーにチェイスしてくれる黒い影。
これを見れただけでも
楽しさと嬉しさで一杯の気持ちになる。
「来てよかった。」
毎週振っていた
オフショアロッドから持ち替えた

ショートロッドを使った
テクニカルなキャストは
全くと言って良いほど決まらず。
本当に下手糞になってしまったと思うほど。
しかし渓魚達は、そんな僕にも相手をしてくれた。

魚が出そうと思うラインに
積極的にミノーを通せば、
答えは素直に返ってくる。

欲を言えば、もう少し
この強く太い流れと水量が下がれば、

障害物も多く
キャストが楽しい渓なだけに残念だが、

可愛いサイズも含めて
飽きない程に僕を遊ばせてくれた。

普段なら渡れる所が渡れず、
慎重に安全を確かめながら
何度か高巻きをし登っていた。

頑張って登れば登るほど、
美しい渓魚達に出会える。
そんな楽しい渓も
今年も楽しめるのが
一カ月を切ってしまった。
「もう少し足を運ぶべきだったな」
そんな事をぼそりと思いながら
今日一日を惜しみなく楽しんだ。

時折、谷から抜ける風は秋の香りがした。
大好きな夏が過ぎ去り、
ちょっとだけ寂しく切ない毎日の日々。
「秋も良いものだよ‼」
休憩していると
アキアカネが初秋の青空の下で
僕のロッドティップに止まり
話しかけているようだった。

「そうだね。秋も良い季節だね。」
あと少しだけ登ろうかな。

倒木にミノーをタイトに通せば
元気いっぱいの岩魚が歓迎してくれた。

流れの強い本筋で「ドス」と重く
力強い引きを見せたのは

26㎝程の美しいアマゴだった。
この一匹の出会いで
今日はなんだか大満足になった。
足も疲れでもつれてきたので
今日の釣りを終わらせた。

深い深い谷を抜け出す急な斜面を登る。
足に疲労がたまり、
先ほどまで涼しかった体から汗が噴き出す。
何とか今回も無事に林道に抜けると
ほっとしたと同時に、充実感で一杯になった。
林道では山栗が実りの時期を迎え

ニホンザルが僕に挨拶してくれた。

林道を抜け出し村に戻ると
美しいコスモスが咲き

清々しい秋の空と風を
体いっぱいに感じた。

初秋の渓。
ちょっとだけ好きになった。
そんな一日。
-TACKLE DATA -
Rod: SOULS / TROUT FINALIST EXPLORER 50LS Ver2
Reel: SHIMANO / TWINPOWER 2000HGS×わたらせ樹脂工房 楓瘤
Line: APPLAUD / GT-R Trout Edition 4LB
Lure: Buddy 50s.Rough Stream Minnow50.Matt Homura50s.Spino Minnow fat50s.slim50s.・・etc

にほんブログ村
Posted by 結城 賢二 at 16:15
│Japan Trout